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2025年版・開発者の“バイブ”を上げるAIコーディングツール10選

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2025年版・開発者の“バイブ”を上げるAIコーディングツール10選

AIによる開発支援ツールは、単なる補完機能付きエディタから進化し、いまやコードベース全体を読み取り・理解・変換できる強力なエージェント型コーディングシステムへと変貌しました。2025年には、「vibe coding」という新しいカテゴリのツールが登場しています。これは、自然言語で意図を説明するだけで、コンテキスト取得・プランニング・実行・検証まで含めたプロダクション品質のコードが生成されるようなプラットフォームです。

この記事では、ソフトウェア開発の未来を形づくっている10の注目ツールを取り上げます。それぞれのセクションでは、ツールの特徴と、さらに深く調べるための情報ソースに触れます。


1. Cursor – プロジェクトを理解するAIコードエディタ

Cursor は、従来の補完エンジンというよりフルスタックなコーディングパートナーとして位置づけられています。機能ページでは、マルチライン生成、自動エラーレペア、そしてコードベースや外部ドキュメントから関連コンテキストを引っ張ってくる強力なretrieval modelが強調されています。

Cursor のagent modeは、リポジトリを探索し、エンドツーエンドで機能を実装したり、プルリクエストを作成したりといった作業を、自然言語の指示だけで行うことができます。コマンドパレットやビルトインデバッガ、@リファレンスシステムによって、エディタ内でほとんどツールを切り替えずに作業できる、流れるようなワークフローを実現しています。

Highlights

  • マルチライン生成 & スマートな書き換え – コードブロック全体を生成し、自動的にリファクタリング。
  • タスク指向のエージェント – 機能実装やテスト作成などのマルチステップタスクをプランニング付きで実行。
  • コンテキストリトリーバル@で関数やファイルを参照し、プロンプトにコンテキストをインジェクト。

2. runcell – Jupyter向け自律ノートブックエージェント

runcell は、Jupyter 環境にエージェント型AIを持ち込みます。公式サイトでは、runcell をPythonコードを書き、セルを実行し、出力を説明し、フィードバックに応じて反復するAIエージェントとして紹介しています。

ユーザーは、ガイド付きの探索に適したlearning modeと、エージェントがノートブック全体を自律的に完成させるautonomous modeを切り替えられます。runcell はインポートの更新、ヘルパー関数の生成、結果の可視化、データに関する質問への回答などを、すべて Jupyter 内で完結させます。

Highlights

  • AI駆動のセル実行 – コードを書いて実行し、その結果を解説。
  • learning / autonomous モード – エージェントと協調するか、全自動で任せるかを選択可能。
  • スマートな可視化 – グラフを自動生成し、コード構造を適宜アップデート。

3. Codex – クラウド型ソフトウェアエンジニアリングエージェント

OpenAI の 2025年版 Codex は、大規模で複雑なリポジトリを対象にしたクラウドホスト型ソフトウェアエンジニアリングエージェントです。Codex は機能実装、バグ修正、PR提案、技術的な質問への回答を行い、その処理を安全なアイソレーテッドコンテナ内で実行します。

Codex は、スタイルやテスト、リポジトリルールを理解するために AGENTS.md ファイルを参照します。あらゆるタスクは、ログ・diff・テスト結果などの検証可能なエビデンスとともに返され、人間によるレビューを前提としています。これにより、エージェント支援を導入したい企業に必要な信頼性が確保されています。

Highlights

  • 並列サンドボックスタスク – 複数のエージェントをアイソレーテッド環境で同時に実行。
  • エビデンスベースの出力 – ログやテスト出力、diff を返し、監査性を担保。
  • 安全な自律性 – タスクは1〜30分で実行され、常に最終的な人間の承認を要求。

4. Claude Code – ターミナル速度で“深く”書くコーディングエージェント

Anthropic の Claude Code は、ターミナルとIDEに直接統合されたエージェント型コーディングアシスタントです。数百万行規模のリポジトリを検索し、複数ファイルに跨る編集を一貫性を保って行い、自然言語で記述された issue から実行可能な PR へと落とし込むことができます。

Claude は、利用可能なツールや環境設定、スタイルルールを定義する CLAUDE.md ファイルを利用します。リポジトリのコンテキストを自動的に読み込み、「OAuth サポートを追加して」などの高レベルな指示だけで、コード変更を開始できます。

Highlights

  • ターミナルファーストの体験 – VS Code や JetBrains との統合もオプションで利用可能。
  • 深いコードベース理解 – 大規模システムやファイル間の関係を把握。
  • 設定可能な安全性 – ファイル変更前に承認を求め、カスタムルールにも対応。

5. Kiro – スペック駆動型 AI IDE

Kiro は、AIコーディングにおいてユニークなスペック駆動アプローチを採用しています。いきなりコードを書くのではなく、まず構造化された要件・設計ドキュメント・タスクを生成し、その後エージェントがautopilot modeで実装を行います。

Kiro は、ファイル保存やユーザーコマンドをトリガーとして動作するagent hooksをサポートし、Model Context Protocol (MCP) を通じて外部API・データベース・ドキュメントと連携します。マルチモーダルなチャットにより、ダイアグラムやUIモックをそのままワークフローに取り込むことも可能です。

Highlights

  • Spec & steering files – 開発を明確な意図と制約に沿って進められる仕組み。
  • Autopilot tasks & hooks – 繰り返し作業を自動化しつつ、コントロールも維持。
  • マルチモーダル + エンタープライズ級セキュリティ – MCP ベースの連携を活用。

6. v0 – VercelのGenerative UI Builder

Vercel の v0 は、自然言語の説明や画像モックアップから、クリーンでプロダクション品質の React / Vue / Svelte コンポーネントを生成するgenerative UI creation toolです。レビューでは、v0 が Tailwind と shadcn/UI コードを用いてプレビューを生成する点が高く評価されています。

開発者はエディタ内でデザインを微調整し、そのままコードをコピーするか、Next.js プロジェクトに直接組み込むことができます。Vercel へのワンクリックデプロイにも対応しています。

Highlights

  • 自然言語からUIへ – インターフェースの説明から、動作するコンポーネントコードを生成。
  • 複数フレームワーク対応 – React / Vue / Svelte + Tailwind + shadcn/UI スタイリング。
  • Image-to-UI – スクリーンショットやモックアップからレイアウトコードを自動生成。

7. Lovable – AI Webアプリビルダー & ビジュアルエディタ

Lovable は、自然言語の説明をフルスタックWebアプリへと変換します。ユーザーはエージェントと対話しながらプロトタイピングを行い、機能をブラッシュアップし、継続的にイテレーションできます。

Supabase や GitHub、各種デプロイメントプラットフォームと統合されており、有料プランではフルスタック生成、devモード、Claude 4 モデルを用いたAIセキュリティ監査が利用できます。

Highlights

  • 会話型プロトタイピング – 自然言語でアプリを作り、調整していくワークフロー。
  • フルスタック生成 – フロントエンド・バックエンド・DB統合・GitHub エクスポートまで対応。
  • コラボレーション & セキュリティ – 無料の共同作業機能と自動コードレビュー。

8. Augment Code – IDE向け自律エージェントプラットフォーム

Augment Code は、深いコードベース理解と自律エージェントワークフローにフォーカスしたAIネイティブな開発プラットフォームです。独自のコンテキストエンジンによって大規模リポジトリを解釈し、エージェントが計画・実装・PR作成までを担当します。

コードベース認識型の補完機能や、承認付きのターミナルコマンド、VS Code / JetBrains / Vim への統合をサポートしています。

Highlights

  • 自律的なPull Request作成 – エージェントがタスクを実装し、PRとして提出。
  • 高精度コンテキストエンジン – リポジトリ全体を俯瞰して理解。
  • CLI/TUI + IDE連携 – スマートな apply 提案ワークフローを提供。

9. Bolt – ブラウザで完結するAI生成Webアプリ

StackBlitz の Bolt.new は、シンプルなプロンプトから完全に動作するプロジェクトを生成するブラウザベースのAIアプリビルダーです。ビルトインエディタとランタイムが備わっているため、開発者はコードの編集、npm パッケージのインストール、変更の即時プレビューをブラウザだけで行えます。

準備ができたアプリは、Netlify へのワンクリックデプロイで公開できます。

Highlights

  • プロンプトからプロジェクトへ – アプリの全体構造を一瞬で生成。
  • ゼロセットアップ環境 – ブラウザ内だけでコーディングと実行が完結。
  • ワンクリックデプロイ – Netlify への即時ホスティングに対応。

10. Windsurf Editor – フロー状態に入るためのエージェント型IDE

Windsurf は、中断されないフローのために設計された初のエージェント型IDEを標榜しています。そのCascadeシステムは、コードベースの深い理解・リアルタイムなコンテキスト取得・生成能力を組み合わせ、コンテキストに適合した提案を行います。

Windsurf 独自のTab, Tab, Tabワークフローは機能実装のスピードを加速し、Windsurf Previewsによって、エディタ内からUIのライブビューと対話することができます。

Highlights

  • Cascade AI engine – コード全体のコンテキストとリアルタイム認識、生成アクションを統合。
  • Supercomplete + Tab ワークフロー – 複雑な機能を最小限のタイピングで実装。
  • ライブプレビュー、インラインリファクタリング、MCP連携でツール拡張性を確保。

結論:開発者体験の新しい時代へ

これらのツールの登場は、ソフトウェアの作り方が大きく変わりつつあることを示しています。ボイラープレートの手書きや、孤立したデバッグ、ツール間の頻繁なコンテキストスイッチに頼る代わりに、開発者は意図を表現し、エージェント型システムにコンテキスト理解と高品質なコード生成を任せ、自身はアーキテクチャや戦略、クリエイティブな部分に集中できるようになっています。

Cursor のインテリジェントなリトリーバルから Windsurf の没入型IDEまで、それぞれのツールは生産性向上に対する独自の哲学を持っています。今後、クラウドサービスやチーム開発ワークフロー、リアルタイムコラボレーションとの統合がさらに進み、ソフトウェア開発はより直感的で、高レベルかつコラボレーティブなプロセスへと変化していくでしょう。

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