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JupyterLab インストールと使い方 完全ガイド【2026年最新版】

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Pythonでデータ分析や機械学習を始めようとしたとき、「どの開発環境を使えばいいのか」という壁にぶつかる方は多いです。VS Code、Spyder、Jupyter Notebook、JupyterLab――選択肢が多すぎて、環境構築だけで数時間を費やしてしまうケースも珍しくありません。

間違った環境を選んでしまうと、コードの実行結果がすぐに確認できなかったり、可視化がうまく表示されなかったり、拡張機能が使えなかったりと、本来やりたかった分析作業に集中できなくなります。特に初心者の方は、環境構築でつまずいてモチベーションを失ってしまうことも少なくありません。

そこでおすすめしたいのが JupyterLab です。JupyterLab は、データサイエンティストやエンジニアに広く使われている統合開発環境で、コードの記述・実行・可視化をブラウザ上でシームレスに行えます。本記事では、JupyterLab のインストールから起動、実際の使い方、トラブルシューティング、おすすめ拡張機能まで、初心者でも迷わないように徹底解説します。

📚

JupyterLabとは

JupyterLab は、Project Jupyter が開発するオープンソースの Web ベース統合開発環境(IDE)です。ブラウザ上で Python コードを記述・実行し、グラフや表などの出力をインラインで確認できます。

JupyterLab の主な特徴は以下のとおりです。

  • マルチタブインターフェース: 複数のノートブック、テキストファイル、ターミナルを同時に開いて並べて作業できます
  • ファイルブラウザ内蔵: プロジェクト内のファイルをサイドバーから管理できます
  • リッチな出力表示: グラフ、画像、HTML、LaTeX 数式などをインラインで表示できます
  • 拡張機能システム: Git 連携、コードフォーマッター、言語サーバーなど多数の拡張機能に対応しています
  • 多言語カーネル対応: Python だけでなく、R、Julia、Scala なども利用可能です
  • ドラッグ&ドロップ: タブのレイアウトを自由にカスタマイズできます

JupyterLab は Jupyter Notebook の後継として位置づけられており、2024年以降はデータサイエンス分野における標準的な対話型開発環境として定着しています。

JupyterLab と Jupyter Notebook の違い

「JupyterLab と Jupyter Notebook の違いがわからない」という質問は非常に多く寄せられます。両者の関係を一言で言えば、JupyterLab は Jupyter Notebook の上位互換 です。

以下の比較表で、主な違いを確認しましょう。

比較項目Jupyter NotebookJupyterLab
インターフェースシングルドキュメント(1画面1ノートブック)マルチドキュメント(タブ・分割表示対応)
ファイルブラウザなし(別画面でファイル一覧)サイドバーに統合
ターミナル別途起動が必要統合ターミナル内蔵
テキストエディタ非対応Markdown・Python ファイルの編集に対応
拡張機能限定的(nbextensions)豊富(JupyterLab Extension System)
ドラッグ&ドロップ非対応タブの並べ替え・分割配置に対応
リアルタイムコラボ非対応JupyterLab 3.1+ でサポート
ダークモード拡張機能が必要標準搭載
開発状況メンテナンスモード活発に開発中
コマンドパレットなしCtrl+Shift+C で呼び出し可能

結論: これから新しく始める方は JupyterLab を選ぶべきです。Jupyter Notebook の機能はすべて JupyterLab に含まれており、既存の .ipynb ファイルもそのまま開けます。Jupyter Notebook は今後メンテナンスモードに移行する方針が示されているため、将来性の面でも JupyterLab が有利です。

JupyterLab のインストール方法

JupyterLab のインストール方法は複数あります。環境や目的に合わせて最適な方法を選んでください。

pip でインストール(推奨)

Python と pip がすでにインストールされている場合、最もシンプルな方法です。

pip install jupyterlab

特定のバージョンを指定してインストールする場合は、以下のようにします。

pip install jupyterlab==4.3.0

インストールが完了したら、バージョンを確認しましょう。

jupyter lab --version

出力例:

4.3.4

Anaconda/Miniconda でインストール

データサイエンスで広く使われている Anaconda や Miniconda を利用する場合は、conda コマンドでインストールします。

Anaconda をお持ちの場合、JupyterLab はデフォルトでプリインストールされています。Anaconda Navigator から直接起動することも可能です。

Miniconda をお持ちの場合、または最新版にアップデートしたい場合は、以下のコマンドを実行します。

conda install -c conda-forge jupyterlab

conda-forge チャンネルを使うことで、常に最新の安定版を取得できます。

新しい conda 環境を作成してインストールする場合の手順は以下のとおりです。

conda create --name jupyter-env python=3.12
conda activate jupyter-env
conda install -c conda-forge jupyterlab

Windows でのインストール手順

Windows で JupyterLab をインストールする場合、以下の手順に従ってください。

ステップ 1: Python のインストール

Python の公式サイト(https://www.python.org/downloads/)から最新版をダウンロードします。 (opens in a new tab)

インストーラーの実行時に、「Add python.exe to PATH」にチェックを入れることが非常に重要です。このチェックを忘れると、コマンドプロンプトから pythonpip コマンドが認識されません。

ステップ 2: コマンドプロンプトまたは PowerShell を開く

Windows キー + R を押し、cmd または powershell と入力して実行します。

ステップ 3: pip のアップグレード(推奨)

python -m pip install --upgrade pip

ステップ 4: JupyterLab のインストール

pip install jupyterlab

ステップ 5: インストール確認

jupyter lab --version

バージョン番号が表示されれば、インストールは成功です。

macOS でのインストール手順

macOS には Python がプリインストールされていますが、システム標準の Python はバージョンが古い場合があります。Homebrew を使って最新版をインストールすることを推奨します。

ステップ 1: Homebrew で Python をインストール(必要な場合)

brew install python

ステップ 2: pip のアップグレード

python3 -m pip install --upgrade pip

ステップ 3: JupyterLab のインストール

pip3 install jupyterlab

ステップ 4: インストール確認

jupyter lab --version

macOS では python3 および pip3 コマンドを使う必要がある場合があります。pythonpip でエラーが出る場合は、python3pip3 に置き換えてください。

Linux (Ubuntu/Debian) でのインストール手順

Ubuntu や Debian 系の Linux では、以下の手順で進めます。

ステップ 1: Python と pip のインストール

sudo apt update
sudo apt install python3 python3-pip python3-venv

ステップ 2: JupyterLab のインストール

pip3 install jupyterlab

システムの Python 環境を汚さないために、仮想環境を使ってインストールすることを推奨します(後述の「仮想環境での JupyterLab セットアップ」を参照)。

ステップ 3: PATH の確認

インストール後に jupyter コマンドが見つからない場合は、~/.local/bin を PATH に追加します。

echo 'export PATH="$HOME/.local/bin:$PATH"' >> ~/.bashrc
source ~/.bashrc

JupyterLab の起動方法

JupyterLab のインストールが完了したら、実際に起動してみましょう。

基本的な起動コマンド

ターミナル(Windows ではコマンドプロンプトまたは PowerShell)で以下を実行します。

jupyter lab

ブラウザが自動的に開き、JupyterLab のインターフェースが表示されます。デフォルトの URL は http://localhost:8888/lab です。

特定のディレクトリで起動する

作業したいプロジェクトフォルダに移動してから起動する方法です。

cd /path/to/your/project
jupyter lab

あるいは、--notebook-dir オプションで直接指定することもできます。

jupyter lab --notebook-dir=/path/to/your/project

ポート番号を指定して起動する

デフォルトのポート 8888 が他のプロセスで使用されている場合、別のポートを指定できます。

jupyter lab --port=8889

ブラウザを指定して起動する

特定のブラウザで開きたい場合は、--browser オプションを使います。

jupyter lab --browser=chrome

ブラウザを自動的に開かずにバックグラウンドで起動したい場合は、以下のようにします。

jupyter lab --no-browser

この場合、ターミナルに表示される URL をコピーしてブラウザに貼り付けて開きます。

リモートサーバーで起動する

リモートサーバーで JupyterLab を実行する場合は、IP アドレスを指定します。

jupyter lab --ip=0.0.0.0 --port=8888 --no-browser

セキュリティ上の理由から、パスワードの設定を推奨します。

jupyter lab password

JupyterLab の使い方

ここからは、JupyterLab の基本的な使い方を解説します。

ノートブックの作成と実行

  1. JupyterLab を起動すると、ランチャー画面が表示されます
  2. 「Notebook」セクションから使用したいカーネル(通常は「Python 3」)をクリックします
  3. 新しいノートブック(.ipynb ファイル)が作成されます

ノートブック内の各「セル」にコードを記述し、Shift + Enter で実行します。

# セルにコードを入力して Shift+Enter で実行
print("Hello, JupyterLab!")

実行結果はセルの直下に表示されます。

セルの操作(コード、マークダウン)

JupyterLab のノートブックには、主に 2 種類のセルがあります。

  • コードセル: Python コードを記述・実行するセル。セルの左端に [ ] のマークが付きます
  • マークダウンセル: テキスト、見出し、リスト、数式などを記述するセル。Markdown 形式で記述し、実行すると整形表示されます

セルのタイプを切り替えるには、セルを選択した状態で上部のドロップダウンメニューから「Code」または「Markdown」を選びます。キーボードショートカットでは、コマンドモード(セルの外枠が青い状態)で Y を押すとコードセル、M を押すとマークダウンセルに切り替わります。

マークダウンセルの記述例:

# 見出し1
## 見出し2
 
**太字テキスト***イタリック* テキスト
 
- リスト項目1
- リスト項目2
 
数式: $E = mc^2$

キーボードショートカット一覧

JupyterLab には「コマンドモード」と「編集モード」の 2 つのモードがあります。Esc でコマンドモード、Enter で編集モードに切り替わります。

コマンドモード(セルの外枠が青い状態):

ショートカット動作
Shift + Enterセルを実行して次のセルに移動
Ctrl + Enterセルを実行(移動しない)
Alt + Enterセルを実行して下に新しいセルを挿入
A上にセルを挿入
B下にセルを挿入
D, D(2回押す)セルを削除
Zセル削除を取り消し
Yセルをコードセルに変更
Mセルをマークダウンセルに変更
Cセルをコピー
Vセルを貼り付け
Xセルをカット
Shift + M選択したセルを結合
L行番号の表示/非表示

編集モード(セル内にカーソルがある状態):

ショートカット動作
Tabコード補完またはインデント
Shift + Tabツールチップ(関数のヘルプ)表示
Ctrl + /コメントアウト/解除
Ctrl + D行を削除
Ctrl + Z元に戻す
Ctrl + Shift + Zやり直し
Ctrl + Aすべて選択

グローバルショートカット:

ショートカット動作
Ctrl + Sノートブックを保存
Ctrl + Shift + Cコマンドパレットを開く
Ctrl + Bサイドバーの表示/非表示

ファイルブラウザの使い方

JupyterLab の左サイドバーには、ファイルブラウザが組み込まれています。

  • ファイルの新規作成: 上部の「+」ボタン、またはファイルブラウザ内で右クリックして「New File」を選択
  • フォルダの作成: フォルダアイコンのボタンをクリック
  • ファイルのアップロード: 上矢印アイコンのボタンをクリック、またはファイルをブラウザにドラッグ&ドロップ
  • ファイルのリネーム: ファイルを右クリックして「Rename」を選択
  • ファイルの削除: ファイルを右クリックして「Delete」を選択

CSV ファイルをダブルクリックすると、表形式で閲覧できます。画像ファイルもプレビューが可能です。

ターミナルの使い方

JupyterLab には統合ターミナルが搭載されており、ブラウザから直接コマンドライン操作を行えます。

ターミナルを開くには:

  1. ランチャー画面の「Other」セクションから「Terminal」をクリック
  2. またはメニューバーから「File」 > 「New」 > 「Terminal」を選択

ターミナルでは、パッケージのインストール、Git 操作、ファイル管理など、通常のシェル操作がすべて可能です。

# パッケージのインストール例
pip install pandas numpy matplotlib
 
# Git 操作例
git status
git add .
git commit -m "analysis update"

JupyterLab が起動しない時のトラブルシューティング

JupyterLab の起動時によく発生するエラーと、その対処法を紹介します。

「command not found」エラー

jupyter: command not found

原因: jupyter コマンドが PATH に含まれていません。

対処法:

  1. JupyterLab が正しくインストールされているか確認します。
pip show jupyterlab
  1. パッケージが見つかる場合は、インストール先が PATH に含まれていない可能性があります。以下を試してください。
python -m jupyter lab
  1. PATH に追加する方法(Linux/macOS の場合):
export PATH="$HOME/.local/bin:$PATH"
  1. Windows の場合は、Python のインストール時に「Add Python to PATH」にチェックが入っていたか確認してください。入っていなかった場合は、Python を再インストールするか、手動で環境変数に追加します。

ポート競合エラー

OSError: [Errno 98] Address already in use

原因: デフォルトポート 8888 が既に別のプロセスで使用されています。

対処法:

  1. 別のポートを指定して起動します。
jupyter lab --port=8889
  1. 既存のプロセスを終了したい場合:
# 使用中のポートを確認(Linux/macOS)
lsof -i :8888
 
# プロセスを終了
kill -9 <PID>

Windows の場合:

netstat -ano | findstr :8888
taskkill /PID <PID> /F

Permission error(権限エラー)

PermissionError: [Errno 13] Permission denied

原因: インストール先やランタイムディレクトリへの書き込み権限がありません。

対処法:

  1. sudo を使ったインストールは推奨しません。代わりに --user フラグを使います。
pip install --user jupyterlab
  1. 仮想環境を使用するのが最善の方法です(後述の「仮想環境での JupyterLab セットアップ」を参照)。

  2. ランタイムディレクトリの権限を確認します。

jupyter --runtime-dir

表示されたディレクトリの権限を修正します。

chmod 700 $(jupyter --runtime-dir)

カーネルが見つからないエラー

No such kernel named 'python3'

原因: Python カーネルが正しくインストールされていないか、パスが一致していません。

対処法:

  1. 利用可能なカーネルを確認します。
jupyter kernelspec list
  1. Python カーネルを再インストールします。
pip install ipykernel
python -m ipykernel install --user --name python3 --display-name "Python 3"
  1. 仮想環境内で JupyterLab を使用している場合は、仮想環境がアクティベートされた状態でカーネルを登録する必要があります。

ブラウザが開かない

JupyterLab を起動してもブラウザが自動で開かない場合:

  1. ターミナルに表示される URL(http://localhost:8888/lab?token=...)をコピーしてブラウザのアドレスバーに貼り付けます
  2. デフォルトブラウザの設定を確認します
  3. --browser オプションで明示的にブラウザを指定します
jupyter lab --browser=firefox

JupyterLab おすすめ拡張機能

JupyterLab 4.x では拡張機能の管理が大幅に簡素化され、多くの拡張機能が pip install だけで導入できるようになりました。

jupyterlab-git(Git 連携)

JupyterLab 内で Git のバージョン管理操作を行えます。diff の確認、コミット、ブランチの切り替えなどがブラウザ上で完結します。

pip install jupyterlab-git

jupyterlab-lsp(言語サーバープロトコル)

コード補完、定義へのジャンプ、リアルタイムのエラー表示など、IDE に近い編集体験を提供します。

pip install jupyterlab-lsp python-lsp-server[all]

jupyterlab_code_formatter(コードフォーマッター)

Black や isort などのフォーマッターをワンクリックで適用できます。

pip install jupyterlab-code-formatter black isort

フォーマッターを使用するには、ノートブックのツールバーのフォーマットボタンをクリックするか、ショートカットを設定します。

テーマ拡張機能

JupyterLab の見た目をカスタマイズするテーマも多数あります。

# Dracula テーマ
pip install jupyterlab-dracula-theme
 
# 日本語言語パック
pip install jupyterlab-language-pack-ja-JP

日本語言語パックをインストールすると、メニューやダイアログが日本語化されます。

インストール済み拡張機能の確認

jupyter labextension list

データ可視化を強化する:PyGWalker

JupyterLab でデータ分析を行う際、matplotlib や seaborn でグラフを作成するにはそれなりのコード量が必要です。「もっと手軽に、対話的にデータを可視化したい」という方には PyGWalker がおすすめです。

PyGWalker は、Pandas や Polars の DataFrame を Tableau のようなインタラクティブな可視化 UI に変換するオープンソースの Python ライブラリです。JupyterLab 上でドラッグ&ドロップ操作でグラフを作成でき、コードを書かずにデータ探索が行えます。

インストールと基本的な使い方

pip install pygwalker
import pandas as pd
import pygwalker as pyg
 
# データの読み込み
df = pd.read_csv("your_data.csv")
 
# PyGWalker でインタラクティブな可視化 UI を起動
pyg.walk(df)

このコードを実行すると、JupyterLab のセル出力に Tableau 風の対話型ダッシュボードが表示されます。フィールドをドラッグ&ドロップするだけで、棒グラフ、散布図、ヒートマップなど様々なチャートを作成できます。

詳細は PyGWalker の GitHub リポジトリ(https://github.com/Kanaries/pygwalker)を参照してください。 (opens in a new tab)

また、JupyterLab での作業をさらに効率化したい場合は、RunCellhttps://www.runcell.dev)もチェックしてみてください。RunCell (opens in a new tab) は Jupyter 環境に統合された AI エージェントで、コードの生成、デバッグ、データ分析の自動化を支援します。

仮想環境での JupyterLab セットアップ

プロジェクトごとに依存パッケージを分離するために、仮想環境の使用を強く推奨します。仮想環境を使うことで、異なるプロジェクト間でパッケージのバージョン衝突を防げます。

venv を使う方法(Python 標準)

# 仮想環境の作成
python3 -m venv myproject-env
 
# 仮想環境のアクティベート(macOS/Linux)
source myproject-env/bin/activate
 
# 仮想環境のアクティベート(Windows)
myproject-env\Scripts\activate
 
# JupyterLab のインストール
pip install jupyterlab
 
# JupyterLab の起動
jupyter lab
 
# 作業終了後、仮想環境をディアクティベート
deactivate

virtualenv を使う方法

venv よりも高速で追加機能がある virtualenv を使う方法もあります。

# virtualenv のインストール
pip install virtualenv
 
# 仮想環境の作成
virtualenv myproject-env
 
# アクティベートと JupyterLab のインストールは venv と同じ
source myproject-env/bin/activate  # macOS/Linux
pip install jupyterlab
jupyter lab

conda 環境を使う方法

Anaconda や Miniconda を使用している場合は、conda の環境管理が便利です。

# 新しい環境を作成(Python バージョン指定)
conda create --name ds-project python=3.12
 
# 環境のアクティベート
conda activate ds-project
 
# JupyterLab のインストール
conda install -c conda-forge jupyterlab
 
# JupyterLab の起動
jupyter lab
 
# 環境のディアクティベート
conda deactivate

仮想環境を JupyterLab のカーネルとして登録する

仮想環境内に JupyterLab をインストールしない場合でも、仮想環境をカーネルとして登録することで、グローバルの JupyterLab から仮想環境の Python を使えます。

# 仮想環境をアクティベート
source myproject-env/bin/activate
 
# ipykernel をインストール
pip install ipykernel
 
# カーネルとして登録
python -m ipykernel install --user --name myproject-env --display-name "My Project (Python 3.12)"
 
# 仮想環境をディアクティベート
deactivate

登録後、JupyterLab のカーネル選択画面に「My Project (Python 3.12)」が表示されるようになります。

複数の Python カーネルを管理する

データサイエンスのプロジェクトでは、Python のバージョンやライブラリの組み合わせが異なる複数の環境を使い分けることがあります。JupyterLab では ipykernel を使って複数のカーネルを管理できます。

カーネルの一覧を確認する

jupyter kernelspec list

出力例:

Available kernels:
  python3        /home/user/.local/share/jupyter/kernels/python3
  ds-project     /home/user/.local/share/jupyter/kernels/ds-project
  ml-env         /home/user/.local/share/jupyter/kernels/ml-env

新しいカーネルを追加する

# 対象の仮想環境をアクティベート
conda activate ml-env
 
# ipykernel をインストール
pip install ipykernel
 
# カーネルを登録
python -m ipykernel install --user --name ml-env --display-name "ML Environment (3.11)"

カーネルを削除する

不要になったカーネルは以下のコマンドで削除できます。

jupyter kernelspec remove ml-env

カーネル管理のベストプラクティス

  • プロジェクトごとに環境を分離する: 依存関係の衝突を防ぐために、プロジェクトごとに仮想環境を作成してカーネル登録します
  • わかりやすい表示名を付ける: --display-name にプロジェクト名と Python バージョンを含めると、カーネル選択時に迷いません
  • 不要なカーネルは削除する: カーネル一覧が増えすぎると管理が煩雑になるため、使い終わった環境のカーネルは削除しましょう

FAQ

よくある質問とその回答をまとめました。

JupyterLabとは何ですか?

JupyterLab は Project Jupyter が開発するオープンソースの Web ベース統合開発環境(IDE)です。ブラウザ上で Python コードの記述・実行・可視化を行うことができ、データサイエンスや機械学習の分野で広く使われています。マルチタブ対応、統合ターミナル、ファイルブラウザなどを備えた、Jupyter Notebook の後継環境です。

JupyterLab と Jupyter Notebook の違いは何ですか?

JupyterLab は Jupyter Notebook の上位互換です。Notebook がシングルドキュメント型のシンプルなインターフェースであるのに対し、JupyterLab はマルチタブ対応、統合ターミナル、ファイルブラウザ、コマンドパレットなど、より高度な機能を備えています。Jupyter Notebook は現在メンテナンスモードに移行しつつあるため、新規ユーザーには JupyterLab の利用が推奨されます。

JupyterLab を Windows にインストールするにはどうすればいいですか?

まず Python の公式サイトから Python をインストールします(インストール時に「Add Python to PATH」にチェックを入れてください)。次にコマンドプロンプトを開き、pip install jupyterlab を実行します。インストール完了後、jupyter lab コマンドで起動できます。Anaconda を使用する場合は、Anaconda Navigator から直接起動することも可能です。

JupyterLab が起動しない場合はどうすればいいですか?

主な原因と対処法は以下のとおりです。(1)「command not found」エラーの場合は、python -m jupyter lab を試すか、PATH 設定を確認してください。(2) ポート競合の場合は、jupyter lab --port=8889 で別ポートを指定します。(3) Permission エラーの場合は、仮想環境を使用するか pip install --user jupyterlab を試してください。(4) カーネルが見つからない場合は、pip install ipykernel でカーネルを再インストールしてください。

Anaconda で JupyterLab を使うにはどうすればいいですか?

Anaconda をインストールすると JupyterLab はプリインストールされています。Anaconda Navigator の画面から「Launch」ボタンで起動するか、ターミナルで jupyter lab と入力して起動します。最新版にアップデートしたい場合は conda install -c conda-forge jupyterlab を実行してください。Miniconda の場合も同じコマンドでインストールできます。

JupyterLab のおすすめ拡張機能はありますか?

代表的な拡張機能として、Git 連携の jupyterlab-git、コード補完を強化する jupyterlab-lsp、コードフォーマッターの jupyterlab-code-formatter、日本語化のための jupyterlab-language-pack-ja-JP があります。いずれも pip install で簡単にインストールできます。

まとめ

本記事では、JupyterLab のインストールから使い方まで、初心者でも迷わないように詳しく解説しました。要点を振り返りましょう。

  • JupyterLab は Jupyter Notebook の後継環境 であり、マルチタブ・統合ターミナル・ファイルブラウザなどの機能を備えた高機能 IDE です
  • インストールは pip install jupyterlab だけ で完了します。Anaconda ユーザーは conda install -c conda-forge jupyterlab も利用できます
  • jupyter lab コマンドで起動 し、ブラウザ上でノートブックの作成・コード実行・可視化が行えます
  • 起動しない場合 は、PATH の設定、ポート競合、権限エラー、カーネルの問題を順に確認してください
  • 拡張機能 を活用すると、Git 連携・コード補完・フォーマッターなどの機能を追加できます
  • 仮想環境 と組み合わせることで、プロジェクトごとにクリーンな開発環境を構築できます
  • PyGWalker を組み合わせれば、コードを書かずに対話的なデータ可視化が JupyterLab 上で行えます

JupyterLab は継続的に改善されており、データサイエンスと Python 開発の中心的なツールであり続けています。まだ導入していない方は、ぜひ本記事の手順に従ってセットアップしてみてください。

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