VSCode で Streamlit を使う方法:ステップバイステップガイド(2025 年版)
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Python 開発のワークフローを加速させたいですか?
Streamlit + VSCode は、データアプリを構築する最速クラスの組み合わせであり、エンジニア、データサイエンティスト、アナリスト、ML エンジニアに特に向いています。
この 2025 年版の更新ガイドでは、次の内容を解説します:
- ✔ VSCode での Streamlit の正しいセットアップ方法
- ✔ ベストプラクティスとしての仮想環境の使い方
- ✔ VSCode 内での Streamlit アプリのデバッグ方法
- ✔ Stlite 拡張機能を使ったアプリのプレビュー方法
- ✔ 2025 年時点のモダンなホスティングオプション を使った Streamlit アプリのデプロイ方法
- ✔ ノーコード可視化のために PyGWalker でワークフローを強化する方法
それでは始めましょう。
基本コンセプト:Streamlit + VSCode
Streamlit とは?
Streamlit は、HTML・CSS・JavaScript を書かずにインタラクティブな Web アプリを構築できる、オープンソースの Python フレームワークです。
Python スクリプトを数分で共有可能なデータアプリに変換してくれます。
主なメリット:
- フロントエンドの知識が不要
- リアルタイムのホットリロード
- スライダー、セレクト、ファイルアップロード、チャートなどの簡単なウィジェット
- データ探索、ダッシュボード、ML デモに最適
2025 年時点では、多くのデータサイエンスチームにおける デフォルト のツールとなっており、場当たり的なダッシュボードや Jupyter のウィジェット、社内向けの簡易 BI プロトタイプの代わりとして使われています。
VSCode で Streamlit を使う理由
VSCode は Streamlit の体験を大きく向上させます:
1. 🔥 高速な開発サイクル
コードを書く → 保存する → アプリが即座に自動リロードされます。
2. 🧩 充実したエコシステム
Python 拡張機能、Git 連携、Copilot/Cursor 系の AI ツール、フォーマッタ、リンターなどが揃っています。
3. 🐞 一級のデバッグ体験
VSCode では、ブレークポイント、変数ウォッチ、ステップ実行を使って Streamlit のロジックをデバッグできます。
4. 🚀 モダンな開発ツールとの高い親和性
仮想環境、Conda、uv、Docker、リモート SSH、dev container などとシームレスに連携できます。
把握しておくべき制限事項
Streamlit は強力ですが、次のような制約があります:
- 重いカスタムフロントエンドや複雑なマルチページアプリには不向き
- ステートレス設計のため、複雑な状態管理は難しくなりがち
- FastAPI + React、Django などのフルスタック Web フレームワークと比べると UI の柔軟性は低い
とはいえ、社内向けダッシュボードや ML ツールの 90% には十分すぎる選択肢です。
VSCode で Streamlit を使う手順(2025 年版)
以下は モダン かつ推奨されるワークフローです。
Step 1 — 仮想環境を作成する(ベストプラクティス)
Streamlit をグローバルにインストールする代わりに、次のようにします:
python3 -m venv .venv
source .venv/bin/activate # macOS / Linux
.venv\Scripts\activate # Windowsもしくは uv(非常に高速)を使う場合:
uv venv
source .venv/bin/activateStep 2 — Streamlit をインストールする
pip install streamlitStep 3 — VSCode で Python ファイルを作成する
example.py というファイルを作成します:
import streamlit as st
st.title("My First Streamlit App")
st.write("Hello, VSCode + Streamlit!")Step 4 — VSCode のターミナルから Streamlit を実行する
ターミナルを開きます:
- Windows / Linux: Ctrl + Shift + `
- macOS: Cmd + J
そして次を実行します:
streamlit run example.pyブラウザが自動的に開き、次の URL にアクセスできます:
http://localhost:8501 (opens in a new tab)

ボーナス:VSCode で Streamlit アプリをデバッグする
.vscode/launch.json を追加します:
{
"version": "0.2.0",
"configurations": [
{
"name": "Debug Streamlit App",
"type": "python",
"request": "launch",
"module": "streamlit",
"args": ["run", "example.py"],
"console": "integratedTerminal"
}
]
}これで ブレークポイント、ステップ実行、変数パネル を使ったデバッグが可能になります。
PyGWalker で Streamlit 可視化アプリを作る(更新版)
PyGWalker (opens in a new tab) は、ほぼコードなしで Tableau ライクな UI を Streamlit に追加できます。
次の用途に最適です:
- データ探索
- ダッシュボードのプロトタイプ
- 分析結果の共有
最小限の例:
import streamlit as st
import pygwalker as pyg
import pandas as pd
df = pd.read_csv("your-data.csv")
pyg.walk(df, env="streamlit")ライブデモ → https://pygwalkerapp-d0iztqkzcmr.streamlit.app/ (opens in a new tab)
Sven (CodingIsFun) による動画チュートリアル:
VSCode 拡張機能:Stlite(最新情報)
Stlite extension は次の機能を提供します:
- Streamlit 用のシンタックスハイライト
- よく使う Streamlit 関数のスニペット
- VSCode 内蔵のプレビューパネル
- ちょっとした確認のためにブラウザを開く必要がない
使い方:
- Command Palette を開く → Launch stlite preview を実行
.pyファイルを選択- VSCode のエディタペインにプレビューが表示されます

制限事項
- WebAssembly 版の Streamlit を使用します
- 一部コンポーネントは、フルの Python バックエンドと挙動が異なります
- WASM のリソース取得にネットワークが必要(オフラインモードには制限あり)
それでも、素早いプロトタイピングには非常に便利です。
デプロイ:Streamlit を本番環境に公開するには
旧来の “Streamlit Sharing” はすでに終了しています。
現在主流のデプロイ方法は次のとおりです:
✅ Streamlit Community Cloud(初心者に特におすすめ)
無料で高速、かつシンプルです。
✅ Railway.app
自動ビルド付きのワンクリックデプロイが可能です。
✅ Render.com
無料枠とオートスケーリングを提供します。
✅ HuggingFace Spaces
ML デモ向けに最適です。
✅ AWS / GCP / Azure
Docker + ロードバランシングを組み合わせることで、本番運用向けの構成が可能です。
チュートリアル:
➡ /topics/Streamlit/deploy-streamlit-app
よくある質問(FAQ)
1. VSCode で動いている Streamlit を止めるには?
VSCode のターミナルの Stop ボタンを押すか、Ctrl+C を入力します。
2. アプリを開くには?
http://localhost:8501 にアクセスします。
3. Google Colab で Streamlit は使える?
はい。Streamlit をインストールし、pyngrok を使ってローカルサーバーをトンネリングします。
4. 仮想環境を使う理由は?
依存関係をプロジェクトごとに分離し、バージョンの衝突を防ぐためです。
5. Streamlit の代表的な制限は?
UI カスタマイズ性の制限、ステートレス設計の複雑さ、大規模フロントエンドには向かない点などです。
6. Streamlit は何に使う?
ML デモ、ダッシュボード、社内ツール、データ探索、インタラクティブなアプリの迅速な試作に使われます。
まとめ
Streamlit + VSCode は、2025 年においてもデータアプリケーションを構築する最速クラスの組み合わせです。
データ探索、ダッシュボード構築、社内ツールのデプロイなど、あらゆる場面で次のメリットをもたらします:
- 高速な反復開発
- クリーンな開発環境
- 強力なデバッグ機能
- モダンなデプロイ手段
さらに PyGWalker、Stlite、そして進化し続ける VSCode の AI エコシステムを組み合わせることで、フル機能のデータプロダクト開発環境が手に入ります。